洋服の重なりや素材(ボタン、肌など)質感の違いなどを上手くいかし、実際の構成に近いパーツ分割を行うことで、造形で表現できる幅がひろがり、リアルなパーツ構成になっていると思います。スーツや靴、ウォレットチェーンなどは、サンジの設定から、実物資料を研究して作られているのが伝わってきました。ちょっと余裕のあるサンジの表情や蹴りポーズはサンジらしく良いと思いました。蹴りの途中まさに動いている時のポーズ。表現するのは難しかったと思いますが、腰の入り方など良くできていました。決めポーズ画像でわかるように、右ひざ、手、タバコ、ネクタイ、顔と、構図としては気持ちの良い位置に配置されており、シャツとジャケットの奥行き感やネクタイ、髪の毛の浮遊感で動作の中であるポーズを強調し、うまく表現されていました。キャラクター表現で顔は一番悩むとこだと思います。このサンジは服のしわなど色々リアルに作っている為、サンジの顔設定資料から、目、鼻、口の基本バランスは変えずに、人体の顔骨格を踏襲しつつ体とのバランスをとり、全体的にリアルテイストなサンジに出来上がってると思いました。

超写実造形。
緻密に、描きこんで描きこんで構築されている感じ。本当にサンジが実際人間として存在していたらこんな感じといったリアリティがそこにはあります。更によく見ると、表面の素材感の造り分けから分割面、隅々まで手が行き届いている事がよく分かり、商業原型としての見本的な造形となっている。静からの動、この難しい緊張感を 繊細にきっちり押さえてくるあたりが 彼らしくてイイ!と感じました。

全体のサラッとした爽やかな雰囲気を持ちつつ、モーションに入る瞬間を絶妙に捉えていると思いました。前後の動きを想像させてくれる服の皺、髪の流れもこだわって見えました。

山口さんのサンジは近くによればよるほど見所がたくさんあって感動する発見がたくさんありました!フィギュアの小さいボタンをここまで細かく造形するのは山口さんだけではないでしょうか?通常はあまり力を入れないジャケットの裏もきちんと表現されてるのも素晴らしいです。個人的には靴の裏のステッチもこのサンジの見所の1つだと思いました。

相変わらずの高密な仕上がり、シャツやジャケットの重なり合う感じネクタイやチェーンが演出する浮遊感が面白いし、動く前という難しいポーズをこなしている。「山口サンジ」、「ヒールサンジ」、両者共に手の造形がもう一つ、漫画らしいケレンミあるアウトラインの表現を軸としてを見ると、山口サンジは手のインパクトが弱い。各々の過去優勝作品と比べると互いに至っていない感じだけど、ネタとして、やはりサンジは難易度が高いと思うし、自分も苦労しそう。造形物として両者の作品に決定的な優劣は感じないし、どちらが上手いかというより、どちらの人となりが好きかという感じです。

今大会の意気込みは?

裏造形王にもおれはなる!!!!


こだわりのポイントは?

・全体の構成と立体感をより表現する為の分割

・ディテールに説得力を持たすこと

・ノーモーションから蹴る(サンジのイメージ)感じで上半身は極力おとなしめにしながら相手に蹴りを入れる直前のポーズ

・表情はやっぱり少し余裕のある男前!

・そして何よりサンジらしさを立体にすること


作品を作り終えての感想は?

日々精進です。裏造形王という初の企画ですが、見ている人に楽しんで頂けたらうれしいです。

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